スポーツ用品業界・アディダスジャパン株式会社

先月、ドイツで行われた女子ワールドカップでなでしこジャパンが優勝した時、多くのアディダス (Adidas) の […]

| 2017年2月08日 - 10:24

先月、ドイツで行われた女子ワールドカップでなでしこジャパンが優勝した時、多くのアディダス (Adidas) のスタッフが、早朝から渋谷で試合を観戦していました。なでしこジャパンのスポンサーでもあるドイツのスポーツウェアメーカーは、なでしこジャパンの優勝により、3月11日の東日本大震災から、日本の景気が回復していくのではないかと期待を寄せています。

アディダスジャパン株式会社 (Adidas Japan) の代表取締役であるポール・ハーディスティ氏は、メルボルン出身のオーストラリア人で、インドネシアに滞在していた1999年に、アディダスに入社しました。インドネシアに5年滞在した後に、インドに短い間出張し、その後2004年から2010年までは韓国で勤務していました。そして、2010年1月から現在、アディダスジャパン株式会社とリーボックの代表取締役として活動しています。

ジャパン・トゥデイのクリス・ビトロスは東京新宿区にあるアディダスジャパン本社にいるハーディスティ氏を尋ね、詳しいお話を伺ってきました。
adidas interview career engine

アディダスにとって、日本はどのくらい大きな市場ですか?

ポールさん:日本は、アメリカと中国に続く3番目に大きな市場であり、非常に重要な市場です。

ドイツの本社からどのくらい決裁権を与えられていますか?

ポールさん:2、3年前はドイツの本社からの指示に従うことが中心でしたが、現在は、ドイツの本社から規定されている会社方針に従いながら、そして、アディダスというブランドの伝統を大切にしながら、決裁権を与えられつつあります。市場で成功すればするほど、決裁権がより多く与えられます。

アディダス (Adidas) はいくつのブランドを所有していますか?

ポールさん:アディダスグループは、スポーツとライフスタイルを追求した様々なブランドを所有しています。アディダスが一番大きなブランドなのはもちろんのことであり、その他にも、それぞれのブランド特有の機能性とファッション性がある3つのブランドがあります。Y-3は、長年アディダスのパートナーである山本耀司がデザインする高級カジュアルウェアを扱っており、様々な方々をターゲットにしています。リーボックは、フィットネスとトレーニング用品を扱っているブランドであり、「生活に良いコンディションを (Fit for Life)」というコンセプトを元に、トレーニングが楽しくなれる商品を扱っています。アディダスグループのブランドの中でも、ロックポートとゴルフ用品専門店 (アディダスゴルフとアシュワースを含む) のテーラーメイドゴルフは、アディダスの誇り高いブランドです。

それぞれのアディダスブランドのキャンペーンは合同で行っているのですか?

ポールさん:今まで、アディダスブランドはそれぞれ別でキャンペーンを行ってきましたが、今年初めて、それぞれのブランドの機能性とファッション性を取り入れた、全アディダスブランド合同で行うキャンペーン、「すべてをかけろ(adidas is all in)」を実施し始めました。このブランドキャンペーンはアディダス史上最大のキャンペーンで、3月には開始する予定なのでしたが、震災の影響で遅れてしまいましたが、震災後、私たちは、一人でも多くの皆様のご無事と一日も早い復興を願い、国内だけでなく海外のアスリートから、震災の被害に遭った方々に送るメッセージを、テレビで放送する「すべての力をひとつに (we are all together)」というキャンペーンを開始しました。このキャンペーンによる、チャリティーグッズがアディダスの直営店舗やオンラインショップで購入できます。

震災の前と後ではどのような影響を受けましたか?

ポールさん:1月から3月最初の2週間は、昨年より売上が上昇し、順調でした。震災後、運良く火曜日から商品の輸入が再開しましたが、4月は厳しい月でしたが、ゴールデンウィークの後、景気が段々と回復していきました。

震災にはどのような対応をしましたか?

ポールさん:先ほど申し上げたように、「すべての力をひとつに (we are all together)」のキャンペーンを行い、さらに、被災地の支援物資として防寒具、ジャージ、下着などアディダスグループの商品約10万点 (約5億円相当) を各地の災害対策本部を通して寄贈しました。その他に、営業している全国アディダス直営店舗およびアディダスジャパン本社受付において「義援金募金箱」を設置しました。また、チャリティーTシャツの売上金の全額を、子どもたちのための民間の国際援助団体「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」による東日本大震災被災者支援活動へ寄付しました。

普段の日本市場特有の特徴を教えていただけますか?

ポールさん:日本の消費者の方は、比較的海外の消費者の方よりも、豊富な品揃えを好みます。なので、商品開発については、日本において、日本人を主体としたデザインチームを設立しました。現在、日本で行われている商品開発に海外のアディダスが興味を持ち、日本のデザインチームはグローバル展開しつつあります。私が、韓国に出張していた頃、日本で開発された商品を頻繁に取り入れていました。現在、日本の商品開発においての7つのコンセプトを海外展開しています。

ポールさん:日本人が好む色は、外国人の好みより頻繁に変化します。ヨーロッパの方々を見てみますと、色彩の配合が非常にシンプルで、色調が大抵1つか2つです。皇居でジョギングをしている方々を見ますと、色々な色が混ぜ合わさったコンプレッションウェアを着ており、トップスに合ったパンツに靴も合わせていて、おしゃれに着こなしています。オーストラリアでは、20年もお気に入りの破れたTシャツを着てジョギングしている方々を見かけます。

日本でのビジネスでやりがいのあることを教えていただけますか?

ポールさん:日本でのビジネスは、私が今まで経験した中でとても大きなものですが、常時、安定していますので、そこまで困難ではありません。日本でのビジネスでは、市場占有率が重要で、他社と違うことを行い、競争会社よりも上を行くことにより、私たちが成長できるのだと思います。日本人の消費者の方は新しいものを望み、従来、金額にはあまりこだわりませんが、最近では、できれば値段が安く、価値が高い商品を望んでいます。

ポールさん:多くの企業にとって、海外に比べて日本の高齢化が進んでいることが問題になっていますが、個人的に、これは良い機会だと思っており、この機会をいち早く、もしくは、他社よりも更に良く取り入れるべきだと思います。日本の文化は、個人よりも、グループで仕事に取り組むことに重点を置きますが、表には出さないだけで、新しく、創造的なアイデアを持っている人が必ずいると思いますので、私は、仕事の環境をそうしたくはありません。

日本の高齢化進行の機会をどのように取り入れますか?

ポールさん:現在、日本での人口が減少している、30代以上の方々と30代以下の方々向けの市場を取り入れる必要がありますので、日本で初めて14歳から19歳の方々向けの新ブランド、アディダス・ネオ・レーベル (adidas NEO label) を展開し、今年3月4日、アディダスパフォーマンスセンター原宿店内にオープンを迎えました。若年層の方々にも、アディダスと親しみを持ってほしいので、主にモバイル、スマートフォンやインターネット上でキャンペーンを行っています。

アディダスの消費者の方々についてどのくらい理解していますか?

ポールさん:何人かの消費者の方々はアディダスのスタッフよりも、アディダスの商品と競争会社の商品の知識があり、インターネットで徹底的に調べ、欲しい商品が見つかった時に店舗に来ますので、彼らが欲しいと思える商品を開発することが私たちの挑戦だと思います。

日本では大きなサイズの靴が見つからないという外国人の意見に対してどう思いますか?

ポールさん:その件については、商品開発部とよく話し合っていて、商品のサイズの範囲を拡大してほしいと依頼しているところです。現在、アディダスパフォーマンスセンター渋谷では、色やデザインなど自分だけのシューズを注文できるシステム「マイパフォーマンス (mi performance)」が常設されています。約3週間にはお届けができ、自分のお気に入りのデザインを楽しめます。

フットウェアビジネスはアディダスのどのくらいを占めていますか?

ポールさん:フットウェアビジネスは今でもアディダスの中で一番大きく、他はアパレルとアクセサリーを扱っていますが、他の市場よりは小さいです。以前は、今より大きなスニーカー市場でした。

アディダスの商品はどこで作られるのですか?

ポールさん:いくつかの商品は、海外のアディダスから取り入れ、商品は中国、インドネシア、ベトナムやトルコなど、色々な国で作られます。商品流通に関しては、株式会社日立物流中国拠点と契約を結び、効率的な流通システムと在庫コントロールを可能にしています。

日本には直営店舗が何軒ありますか?

ポールさん:現在69店舗あります。今年にまた何軒かオープンを予定し、来年にも店舗が増える予定です。

店舗の設立場所はどのように決めていますか?

ポールさん:店舗の場所を決める専門の会社に依頼しています。私たちが大体設立したい場所を彼らに告げ、売上の5%前後を予測し、良い設立場所を選んでくれます。

日本にはアディダスのスタッフは何人いますか?

ポールさん:アディダスとリーボックには、合計約1,650人います。その他に、ロックポートと (ゴルフウェア専門の) テーラーメイド-アディダスゴルフには500人ほどいます。

アディダスへの就職は人気ですか?

ポールさん:毎年、たくさんの求職の申請がきます。新卒採用は、特定の日程に行われ、中途採用はリクルート専門の会社に依頼し、可能な限り昇級させます。

ハーディスティ氏のマネージメントについての考えを教えていただけますか?

ポールさん:とてもシンプルで、他人にしてもらいたいと思うことを、他人にします。そして、世界はどんどん変化しているのに合わせ、ビジネスも変化しつつありますので、現在、アディダスジャパン株式会社の代表取締役という役目にやりがいを感じています。私にとって、マネージメントとリーダーシップは違うと思います。マネージャーは資産を管理することであり、リーダーとは、人を引っ張っていき、結果を出していくものだと思います。リーダーの理想とするものが定まり、それに人はついていき、リーダーは人が上達し、成功することを見守るということが私の個人的な願望です。

ハーディスティ氏は仕事を部下に委任する方ですか?

ポールさん:あまり仕事を任せる方ではありませんが、責任の方は任せています。スタッフには、彼らのやるべきことができるように権限を与え、私は従業員が団結して仕事に取り組めるようにすることです。

アディダスの店舗には顔を出しますか?

ポールさん:店舗に訪れて、店舗内の様子を見ることが好きなので、もう少し頻繁に訪れるべきだと思います。この頃、自分のオフィスで時間を過ごし過ぎだと思っています。

仕事と生活のバランスを社内で推奨していますか?

ポールさん:節電をしている今、終業時間には、電気を消して、従業員に帰宅させるようにしています。私はやるべきことのみをやり、夕方6時から7時までには帰宅するようにしています。

どのようにリラックスしていますか?

ポールさん:以前はクリケット、テニスやゴルフをしていましたが、今はフィットネスが趣味で、週3回朝に、公園で個人的なトレーニングを行い、ボクシングや有酸素運動も行います。テレビの前に座ることや、休日にビーチやプールに出かけることでリラックスしています。

アディダスの靴を何足所有していますか?

ポールさん:驚くだろうと思いますが、アディダスとリーボックの靴がたくさんありすぎて、靴箱を整理し続けています。新しい商品がどんどんリリースされ、毎回それを見ていますので、欲しくなってしまうのです。マーケティング部の従業員は、私はアディダスジャパン株式会社の代表取締役なのだからといって、1974年から使っている靴を履いているとは思わないでしょう。

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